Vicious Rumors - Vicious Rumors [アルバム感想]
1990年。アメリカの正統派パワーメタルバンドの3rd。
90年代前半で、Savatage、Annihilator、Pretty Maids、Metal Churchなどと共に、中堅どころとしてHMシーンを引っ張ったバンドの一つです。まぁHM全体では不遇の時代だったため、小粒感は否めないんですが。
上記に挙げた中でも、このVicious Rumorsは一番正統派といいますか、基本に忠実といいますか、正に典型的ともいうべきHMを実践しているバンドだと思います。それを体現したアルバムの一つが、バンド名を冠した本アルバムです。
もうどこを切り取ってもHM。ザクザクしたギター・リフは速い曲のときは疾走感を、遅い曲の時は重厚感を強調し、力強い、メロディアスとヘヴィネスを同居させたヴォーカル・ワークはHMカテゴリ以外の何者でもありません。#4なんて、Queensrycheにも聴こえたりして。そして#1や#7など、このバンドのスピード・チューンは独特のノリが正統派ならではのメロディ・センスと相まって、メロスピとはまた異なる魅力があるんですよね。
いい意味で、アメリカンHMの教科書的なアルバムだと思います。実際のところ結構バラエティに富んだ内容のアルバムなんですが、HMの基礎というか、あえてその範疇から外れずに曲を形作ってると感じるあたり、今では逆に希少価値や懐かしさすら感じるような、そんなアルバムですね。良盤です。
何か、個人的にはPrimal Fearとかと同じ空気を感じるバンドなんですよね。HM好きなんだろうな、こいつらっていう空気。そういうのが、結構いいなと思ったりするんですよね。
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