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Memory and Humanity - Funeral for a Friend [アルバム感想]


メモリーズ・アンド・ヒューマニティ

メモリーズ・アンド・ヒューマニティ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ROADRUNNER JAPAN(W)(M)
  • 発売日: 2008/10/08
  • メディア: CD



 2008年。ウェールズのラウドロック/スクリーモバンドの4th。
 というか、彼らはHR/HMのくくりで語っても問題ないと思うんですけどね。
 ギターリフの運びとかは、やっぱりメタル系統の音楽に影響受けていると思いますしね。

 さて、基本的には、3rdからのメジャー指向のベクトル上にあるアルバムと言えます。コンパクトにまとまっていた3rdに比べて、曲に壮大感といいますか、ダイナミズムといいますか、もう既にemoのカテゴリだけでは語れない、普遍的なロックバンドとして扱える音楽に移行したと言えるでしょう。

 メロディはよく練られていると思いますし、カラーも多彩で(とくに後半)よいアルバムだとは思います。…そう思うんですけど、でもやっぱり名曲"Jeuno"や"All the rages"のような、透明感の強い切なさと共に、ツツーッと滑るように進む曲の激しさやスピード感は、このバンドからは失われてしまったみたいですね。

 まぁアルバム毎にカラーの変わるバンドですし、今後もどうなるかわかりませんが、とりあえず今のところはアルバムを出すたびに、私の気に入っていた部分を切り捨てて、置き去りにして進化していってるような感じがしています。今まで尖っていた部分が転がる度に削れて丸くなっていくように、特徴的な部分が熟練度によって失われていっているのかも知れません。

 このバンドだからこそってこともあるんでしょうね。私が彼らに認めて気に入っていた、このバンドならでは特性がなくなってしまったようで、少し悲しいです。まぁ救いは、バンド全体の雰囲気が、個人的に考えるメジャー感とはちょっと違うこと。メロディーに関しては、未だemo系列の物悲しい感じが下地に感じられるからだと思います。叫ばなくなったのも個人的にはいいことですしね。

 ちょっと寂しくはなりましたが、まだまだ見捨てたりはしないってことです。念のため、アルバム自体は良いです。Lostprophetsみたいなラウドロックが好きなら、買って損はありません。





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And Winter Came - Enya [アルバム感想]


雪と氷の旋律

雪と氷の旋律

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Music Japan =music=
  • 発売日: 2008/11/12
  • メディア: CD



 2008年。アイルランドが誇る、ミュージシャンの6th。

 さて、Enyaなんて、なんで買ってしまったんでしょうw。
 自分自身でも柄じゃねぇとは思いますが、その一方、実はこういう雰囲気の曲は決して嫌いではなく、意外といけるんじゃないかと常々思っておりましたので、店頭で購入。

 つーか、これはジャンル的にはどうなるんでしょうか。
 聴いている感じ、ほとんど讃美歌ですね。アルバム中でも実際に「きよしこの夜」を歌ってたりしてますが、アルバムを通じて、そんな感じの曲が続いていくというイメージで、ほぼ間違いありません。
 ゆったりとした冷たく透き通った空間の中に流れる、起伏が緩やかで柔かい歌声とメロディは、部屋にBGMとして流すもよし、一人きりの夜に静かに聴きほれるもよし、心を優しく撫でられ、洗われるような感覚を味わえるかも知れません。

 煽情力とか、高揚感とか、そういうタイプとは無縁のアルバムですので、聴き方によっては非常に退屈ではありますし、まぁ忙しない日々を余裕なく過ごす私個人としましては、そんなに高尚な聴き方は全くできてないんですけどね。まぁいいじゃないですか。雰囲気だけでも味わいたいじゃないですか。Destructionのあとですし。ねぇ。

 個人的には、大抵こういう他ジャンルの音楽を聴いていたりすると、メタルVerとかパンクVerとかにアレンジしたらどうなるんだろう、みたいなことを考えたりするのですが、ことEnyaの曲に関しては、全くイメージが沸きませんね。想像つかない。
 まぁそれだけ独自性が強いと言いますか、そういう分野の音楽が、不可侵の領域なんでしょうね。やっぱ、たまにはこういうのも良いかも。

タグ:Enya
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D.E.V.O.L.U.T.I.O.N - Destruction [アルバム感想]


デヴォリューション

デヴォリューション

  • アーティスト: デストラクション
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2008/09/26
  • メディア: CD



 2008年。ドイツのスラッシュ3羽ガラスであるベテラン・スラッシャーの10th。
 つい先日も日本公演を実施したり、まだまだ現役バリバリのバンドですね。
 人ごとみたいに言ってますが、実は実際に見に行ってたりwシュミーアかっけーw
 …実際にはInto Eternity目当てですが、まぁ細けぇこたぁいいんだよ。

 前にも言いましたけど、基本的にDestructionは主メロや曲のフックが個人的に感じ入るところが少なくて、評価もイマイチなんですよ。それは本アルバムでも変わらず、相変わらずのフック弱め勢い重視のスラッシュメタルを聴かせてくれてます。

 でも今回のアルバムはわりかし突っ走り一辺倒ではなく、ミドルテンポの曲を重要視して攻めて来ている気がしますね。もちろん曲の突進力は今までどおり、3ピースバンドとは思えないほどの凄まじい音圧がありますが、曲の力の入れ所といいますか、今回は割と展開を重視した曲構成をしているのではないかと。多分ギターリフが速さではなく、グループ感とタイミングに重きを置いた結果でしょう。

 とまぁ細かいことは置いておいて、もう、これでいいんですよね多分Destructionって。フックとか関係なしに、こういうスラッシュメタルを継続してること自体が、貴重であり重要な存在なんですよ。オープニングでのシュミーアの汚らしいB級スクリームなんて、これぞ正にスラッシュ・メタルじゃないですか。B級スラッシュ・メタルなんてないんですよ。スラッシュ・メタル自体がB級なんですから。

 何か、このバンド、個人的には最終到達点はMotorhead的なポジションになるんじゃないかと。そんなわけでちょっと考え方を改めました。ぜひこれからも末永くこのまま頑張っていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
タグ:HR/HM destruction
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Stories That Didn't Hit The Page - Comfort For Change [アルバム感想]


Stories That Didn't Hit The Page

Stories That Didn't Hit The Page

  • アーティスト: Comfort For Change
  • 出版社/メーカー: TRIPLE VISION entertainmnet
  • 発売日: 2008/12/03
  • メディア: CD



 2008年。アメリカはアリゾナのスクリーモバンドの1st。
 このアルバムで日本デビューということらしいですね。
 Killswitch Engageやら、Cage9やらに影響を受けたという話があったので、多分このアルバム入手したと思います。結論から言うと、曲自体からはほとんど影響を感じなかったんですけどね。

 アルバム自体は緩急織り交ぜた絶妙のバランスですし、後半のメタルコア風味というか、あー多分このあたりがKillswitchからの影響ってヤツなんだろうな、的な曲展開にはちょっと魅かれるものもありましたが、基本的にはその辺のemoコア群との差別化が難しい、というのが正直な感想。何でしょうね。この全体を通じて感じる「もう少しがんばりましょう」感は。悪くないとは思うんですけど、メロディが画一的なのかなぁ。

 Story of the Yearとか、The Red Jumpsuit Apparatusとか、Alexisonfireとか、彼らが大好きで、そんな感じと似たようなバンドを探しているのであればお薦めのアルバムと言っても良いですが、今のところ、このバンドの独自性というものが希薄であるため、一押しというわけにはいかないという感じです。でも次のアルバムあたりで化ける可能性もちょっと感じたり。これだけで判断するにはちょっと惜しいバンドではあります。

 そういえば聴いてて何故かLuna Seaとかにもちょっと似てるような感覚を持ったので、あんな感じのヴィジュアル系のメロディラインが好きな人にも、うまくアピールすれば受け入れられるかも知れないですね。

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Rare Cuts - Bullet For My Valentine [アルバム感想]


レア・カッツ-来日記念!完全日本限定 スペシャル・リミテッド・エディション(DVD付)

レア・カッツ-来日記念!完全日本限定 スペシャル・リミテッド・エディション(DVD付)

  • アーティスト: ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/08/08
  • メディア: CD



2007年。イギリスはウェールズのメタルコアバンドの来日記念盤です。
タイミング的には1stフルリリース後の単独来日ですね。
DVDも入っているので、値段的には少々お高くなっております。

 個人的には彼らの1st「The Poison」は歴史的名盤だと思っています。やるせなさや怒り、諦観までも含みつつ突き進む、激しく叙情的な演奏とメロディは、メタルからの影響が不可欠であるにも関わらず、メタルだけでは到達できない領域というか、そんな印象を受けたものです。まぁ2ndも好きなんですけどね。

 この企画盤に収められている曲も、その1stの雰囲気を残したものになっています。まぁやはり曲の出来はアルバムには劣りますし、元々このCDの存在価値は、やっぱりMetallicaやPanteraのカバーと、#5 Tears don't fallのアコVerですかね。

 カバーはそれぞれオリジナルに忠実に演奏しつつも、やはりこのバンド独自のエッセンスというか、味付けが感じられる興味深いものになっているし、元々からエモーショナルな曲である#5も、曲の魅力を他面からアピールできるアレンジになっており好感を持ちました。ただ、ちょっとドラマティックさが減少してしまったかなぁと感じますので、個人的にはアルバムVerの方が好みですかね。

 何にせよ、メタルコア界隈では個人的一、二を争う位置にいる程好きなバンドであり、このアルバムにも満足することが出来ました。何か今風のバンドとして古参には軽く扱われているような気もするんですけど、彼らは芯のところにメタルが存在してるのは、本アルバムの選曲でも明らかですからね。聴かず嫌いはもったいないと思います。

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The Wolf - Andrew W.K. [アルバム感想]


一匹狼(初回)(DVD付)

一匹狼(初回)(DVD付)

  • アーティスト: アンドリューW.K.
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2003/08/27
  • メディア: CD



 2003年。アメリカの純正HR/HMパーティロックバンドの2nd。
 アルバムや曲名はかならず邦題が付いているのが特徴ですね。
 AC/DCなんかもそうだし、バンドカラーとしては近いものがあるといえばありますけど。
 なぜか日本と親和性の高い人物でもあり、J-Popなんかのカバーもよくやってます。

 いやぁいいですよね。アンドリューの兄貴。実にストレートなロック馬鹿ぶり。
 ギャグ一歩手前のはっちゃけた明るさというか、激しさというか、いいですよね。
 誰にも真似できないというか、そもそも真似する奴がいないというかw

 まぁでも、例えば単純に羅列するだけでも、Airbourneとかコルピとか、Foxy Shazamとか、最近でも同じ方向性のバンドってば結構多いのですよ。剛球一直線で行き過ぎ気味みたいな傾向のバンド。
 でもAndrew W.K.の良いところは、全ての曲に例外なく感じる、独特の前向きなポップセンスですよね。その曲の構成とメロディは、パーティロックとしてある意味潔さというか、様式美すら感じます。むしろ上で挙げたHR/HM系のバンドよりは、あえてジャンル不問でHuey Lewis and The Newsとか、Dropkick Murphysとかに近いと思ったりして。あとKANとか。それが一番大事w。

 結局、音楽を楽しむ要素の一つとして、こういった陽気さや楽しさは不可欠ともいうべきもので、そこに向かってがむしゃらに全力疾走するように純度を高めたバンドというか人物の、信念みたいなものが込められた力作だと思います。1stより曲の作りが若干丁寧な気がしますけど、まぁ、こまけぇこたあいいんだよ!

 というわけで、連休明けで元気の出ない人は、是非こいつら聴いて元気出していこうぜー。#14.Party HardのLiveとか、もう最高ですよね。いろんな意味で。

タグ:HR/HM Andrew W.K.
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ファンクラブ - Asian Kung-fu Generation [アルバム感想]


ファンクラブ

ファンクラブ

  • アーティスト: ASIAN KUNG-FU GENERATION,後藤正文
  • 出版社/メーカー: KRE
  • 発売日: 2006/03/15
  • メディア: CD



 2006年。日本のロックバンドの3rd。
 ジャンル的にはエモに分類できるんでしょうかね。このアルバムが一応アジカン初体験です。

 一聴して印象に残ったのは、ボーカルの声質というか、歌い方です。素朴というか、なげやりというか。乱暴な丁寧さというか。ヴィブラートを聞かせない、まるで独り言のような平坦な歌いまわしは、なぜか聴き手との距離間を錯覚させ、妙な親近感を覚えるようなイメージを受けました。
 
 もちろん素朴に感じるのはそれだけが理由ではなく、シンプルな演奏隊の音質と、ちょっと寂寥感を含んだメロディラインにもあるのでしょう。割とどの曲もフックの効いたメロディラインですよね。歌詞とあいまって幻想的というか。ちょっとプログレ風味もあったりして。#1のサビなんて、割と複雑ですよ。
 
 Weezerとかのいわゆるパワーポップに曲の構成なんかは近いのかも知れないけど、アルバム全体を覆う雰囲気はやっぱり日本のロックバンドなんですよね。スピッツといい、レミオロメンといい、この全体に横たわる寂寥感というか透明感というかの独特な空気は、日本のこのあたりのバンドによく感じるものであり、この小洒落た感じがパンクスやメタラーには嫌悪感とは言わないまでも、ちょっと趣味とは離れたように感じさせる要因かも知れませんね。
 
 日本の伝統的なロックをルーツとしつつ、洋楽のパワーポップやオルタナに程よく影響されて、それらを取り込んで出来たバンドといったイメージを受けました。個人的には日本のバンドのGrass Valleyとか思い出しました。まぁGrass Valleyよりは元気なイメージだけど、もしかしたら音楽的なルーツは近いのかも知れないですねぇ。
 
 個人的には割と印象に残るバンドでした。他のアルバムも聴いてみたいと思います。

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スロ音 Vol.1 [アルバム感想]


スロ音(1)

スロ音(1)

  • アーティスト: ゲーム・ミュージック
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 2005/06/01
  • メディア: CD



 2005年。パチスロの様々なメーカの機種のBGMを集めた、オムニバス版です。
 カテゴリ的にはGameMusicでもいいのではないでしょうか。一応ゲームはゲームですし。
 
 まさかタイアップでもないパチスロ台のBGMだけでアルバムが出せる時代になるとは思いませんでした。一昔前はショぼい音源が電子音を大音量で鳴らしているイメージしかなかったのに。まぁこれはある意味、元々GameMusicという同じような流れを辿ってきた下地があったから、こうやって成り立てたんだと考えることもできますけどね。

 パチスロのBGMとしてのブレイクスルーといいますか、音楽の価値が変わった作品としては、個人的には獣王のサバンナチャンスだと思います。それ以前にもゲッターマウスやサンダーVなど、それなりに聴かせる音楽もありましたが、獣王はATという特殊なゲーム性があのアップテンポのBGMと相まって、卑怯と言われるほどの高揚感の演出に成功しており、あれ以来、パチスロの演出としてのBGMがかなり重要視されていったように感じます。何はともあれ、その技術的進歩は凄まじく、音楽としても既に曲単体として聴けるレベルになって久しいですね。
 
 そんなわけで今回聴いたこのアルバム。歌モノBGMとしては、やはりブレイクスルー的存在である吉宗をはじめとして、南国、ナイツ、ジャグラーなど往年の名機種BGMから、サンタや信長など、それ単体では聴けないだろうオムニバス版ならではでのBGMがずらり勢ぞろい。曲調もメタル調から沖縄民謡調(スロットといえば、沖縄なんですよ。これが)、浜崎あゆみ調まで幅広いラインナップになっておりますね。客観的に見ると。
 
 ただし、パチスロの経験ない人がこの音楽を聴いてどう評価するかというのは難しいところでしょう。やったことないゲームの音楽をどう思うかとほとんど同じだとは思いますが、今までの経験上、吉宗や番長を聴かせても、パチスロというパチンコ台のイメージとのギャップに驚く人はいても、それ以降継続して聴く人はいなかったように思います。そう考えると、所詮はパチスロありきの世界であり、単体で広めるのは難しいのでしょうね。大体パチスロ未経験者にジャグラー聴かせたところで、どうにもならないとは思いますし。

 そういう意味でもやはりこれはパチスロ経験者限定のアルバムなんでしょう。逆に当時のパチスロ好きには割りと気分よくBGMにできるアルバムなのではないでしょうか。若干各曲の長さが短めのようにも感じますが、それがアルバムを通じてのテンポの良さにつながっているようにも思います。南国やサンタのBig中の音なんか聴くと、ちょっとテンション上がっちゃいますもんねぇ。体が当時を思い出しちゃうんですかねぇ。
 
 えーと個人的に一番好きなのは、これには入ってないですけどShakeの通常高確率中のBGMだったりします。あー楽しかったなぁ。当時は。


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Zenology - Zeno [アルバム感想]


ジーノロジー

ジーノロジー

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/07/21
  • メディア: CD



 1995年。ドイツのメロディアス・HRバンドの2nd。
 実際には1stからのブランク期間にレコーディングした音源の詰め合わせであり、純粋な意味では、Zenoというバンドとしてのアルバムではないんですけどね。まぁ細かいことはいいんですw

 聴いた感じ、Fair Warningと同じじゃねーか、という感想は、#1.Heat of Emotionという同じ曲を演奏していることから言っても当然といえば当然の感覚だと思うのですが、それはあまりに乱暴な意見としても、1stのような、もっと東洋的なメロディや、AOR的な柔らかい感じのHRがもう少しあればいいのにな、と思いました。そうすればFair Warningと住み分けができるのに。…まぁ元々はこちらがオリジナルなので、これは聴き手側の勝手な意見に過ぎませんけど。

 でも、そんな身勝手な感想が出るほど、曲の質は素晴らしいと思います。正にメロディアスHRの最高級といいますか、ノリの良い曲や壮大なアレンジの曲など多彩な楽曲群の中において必ず埋め込まれている哀愁のメロディは、どの曲からも浮くことなく見事に融和して、曲全体の彩りを美しく包み込み、アルバム全体を叙情的に高めています。アルバム一通り聴いた後の清涼感はハンパないですね。

 ZenoとFari Warningのアルバム全部の中でも、トップクラスの完成度のアルバムなんじゃないですかね。結局、ばらばらに録音した音源であるはずなのに、これぞZeno!というアルバムができてしまいました、というジーノ・ロートの高レベルで揺るがない作曲センスを明確にした名盤だと思います。既発曲が別バンドなどで何曲かあることを割り引いても、聴かなきゃ損してるレベルです。

タグ:Zeno HR/HM 名盤
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Concerto Suite Live with Japan Philharmonic - Yngwie Malmsteen [アルバム感想]





  2002年。インギー様のキャリア集大成とも言うべき、オーケストラとのコラボ作品です。
 新日本フィルハーモニー交響楽団との共演で、インギー様の代表曲を演奏したコンサートを収録したものです。今回聴いたのはCDですが、DVDもリリースされており、そちらの方が曲数も多くお薦めなのでタイトルに。

 まず、本アルバムでのインギー様のギターの演奏は文句なしに素晴らしいと思いました。いつものインギー様に感じる荒さは弱まり、音の粒のそろい方やミスの少なさなどで、凄い丁寧に、全身全霊こめて演奏しているのがわかります。どうしちゃったのよ、普段からこんぐらいやってよ、って感じ。

 ただしですね、まぁこれは楽曲というか、聴き手のスタンスからの話ですけど、何の予備知識もなくこれを聴いたら、「んー…何かギター、浮いてね?」とか思われちゃうかも知れないんですよね。それってば実際のところはこのアルバムの主旨というかベクトルとは違う意見でしかないんだけど、まぁ実際そう聴こえてもおかしくないんですよね。
 
 大体、インギー様の曲っていうのは元々、クラシックゆかりの曲をHMにアレンジしたという側面が強いはずで、これをまたクラシカルなスタイルにそのまま持っていってしまったら、これはあれですよ。まるで日本語を英語に一回翻訳かけたのをまた日本語に戻すかのごとく、まぁ違ってはいないんだけど、なんだかなぁ、と感じるのはある意味必然の結果であるわけで。そんな違和感みたいなものを何曲かで感じました。特に#2。ある意味インギーの代表曲だけど、これはロック、とりわけエレキベースの編成だからこその名曲なんだってことが、これで分かりました。

 ただこの企画は、そんな細かいこと全て分かりきった上で実施してるんでしょうね。上記のようにオーケストラの音が微妙に曲の要求に従っていない曲もあれば、そのまんま過ぎて一周して見事にクラシカルな融合を見せている曲もある、そういうの全部ひっくるめてインギーの集大成なんですね。たぶんこれ。
 
 そんなわけで、これはある意味、この分野のギタリストとしては正に頂点というか、絶頂にいる瞬間を捉えた映像と言えるでしょう。ギタリストの憧れというか、夢をそのまま具現化したような映像であり、自分を中心に据えたオーケストラの演奏。これに心が反応しないエレキギター弾きは、まずいないのではないでしょうか。というわけで満点とは行かなくとも、ギター弾きとインギー好きは一聴の価値ありの音源だと思います。

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