Beyond the Astral Skies - Uli Jon Roth [アルバム感想]
1985年。元Scorpionsの、ドイツが誇るギタリストのElectric Sun名義の3rd。
インギー様だって、マーティ・フリードマンだって影響を公言している、ギタリストとしても勿論、この人がいるから今のHR/HMがあると明言できる、最重要人物の一人ですね。HRとクラシックとの融合という面では、この人がはしりであり、それを形として具体化したのが、このElectric Sunというグループです。
まぁそれも当時の話であって、本アルバムを今改めて聴くと、やっぱり曲や音質の古臭さは否めません。でも、個人的には何の問題もありません。だって、スカイ・ギターの音色に限って言えば、当時にして既に完成されており、今聴いても全く古臭さや陳腐さを感じませんから。
いいですよねぇ。この抜けるような独特の音。まるで雲の上で奏でているような細やかな高音は、通常多くて24フレットのエレキギターが、このスカイ・ギターでは32フレットまで存在するために超高音領域での演奏が可能になっているとのこと。その代わり、あまり高音域過ぎて通常の半音毎のフレットではなく1音ずつで、半音はチョーキングで対応しているみたいな、そこまでやんなきゃだめなの的な奏法。
いやー今回改めて聴きなおしましたが、本当にギタープレイは古臭さを感じず、逆に普遍とも言うべきオリジナリティを強く感じましたね。まぁそれほどまでに、スカイ・ギターというのが独自の音を出す楽器である、というのと、それを感性に従って使いこなす、ウリ・ロートの奏法が大きいのですかね。
正直、アルバムの曲レベルとしては個人的に中の上から中の間。でも、このアルバムのギター・プレイは、Fair Warningなどでのギターソロが心に染み入る人なら、是非一度は聴いておくべき的な名演奏だと思います。