ファンクラブ - Asian Kung-fu Generation [アルバム感想]
2006年。日本のロックバンドの3rd。
ジャンル的にはエモに分類できるんでしょうかね。このアルバムが一応アジカン初体験です。
一聴して印象に残ったのは、ボーカルの声質というか、歌い方です。素朴というか、なげやりというか。乱暴な丁寧さというか。ヴィブラートを聞かせない、まるで独り言のような平坦な歌いまわしは、なぜか聴き手との距離間を錯覚させ、妙な親近感を覚えるようなイメージを受けました。
もちろん素朴に感じるのはそれだけが理由ではなく、シンプルな演奏隊の音質と、ちょっと寂寥感を含んだメロディラインにもあるのでしょう。割とどの曲もフックの効いたメロディラインですよね。歌詞とあいまって幻想的というか。ちょっとプログレ風味もあったりして。#1のサビなんて、割と複雑ですよ。
Weezerとかのいわゆるパワーポップに曲の構成なんかは近いのかも知れないけど、アルバム全体を覆う雰囲気はやっぱり日本のロックバンドなんですよね。スピッツといい、レミオロメンといい、この全体に横たわる寂寥感というか透明感というかの独特な空気は、日本のこのあたりのバンドによく感じるものであり、この小洒落た感じがパンクスやメタラーには嫌悪感とは言わないまでも、ちょっと趣味とは離れたように感じさせる要因かも知れませんね。
日本の伝統的なロックをルーツとしつつ、洋楽のパワーポップやオルタナに程よく影響されて、それらを取り込んで出来たバンドといったイメージを受けました。個人的には日本のバンドのGrass Valleyとか思い出しました。まぁGrass Valleyよりは元気なイメージだけど、もしかしたら音楽的なルーツは近いのかも知れないですねぇ。
個人的には割と印象に残るバンドでした。他のアルバムも聴いてみたいと思います。
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