Saturday Night Wrist - Deftones [アルバム感想]
2006年。アメリカのニューメタル/ミクスチャー系へビィロックバンドの5th。
不思議なアルバムです。
やってる音楽はミドルテンポ中心のちょっとダークサイドなヘヴィロック。
そして、メロディがあまり明確ではない感じの音楽。
通常なら、個人的にはこの手のアルバムは大概が
「煮え切らない、つまらない」で終わるのですが、
なぜかそう感じさせないクオリティというか雰囲気というか、
そんな感覚が、このアルバムには全編通じて溢れています。
主旋律そのものがどうこうというタイプの音楽ではなく、
実際には曲中にその形が無いにもかかわらず、
まるで流れてくる音楽が自分を取り囲むように存在して、
聴き手がメロディを脳内補完するのをサポートするような。
ヘヴィな音なのに、雰囲気がものすごく耽美的なんですよ。
聴き手のコンディションにも大きく影響されそうなアルバムです。
多分聴き手が受け入れなきゃ、この世界は広がっていかないみたいな。
頭を振るような音楽ではないのですけれど、
ストーナーともドゥームとも、ゴシックともまた違うこういう音像を作成できるのは、
型を重視する典型的なメタルとはまた違った、
ロック側からのアプローチならではと言えるのかも知れません。
聴き手によって、とらえかたが全然異なってくるアルバムです。
割と構えて真剣に聴かなきゃな、とか思います。
そういう意味では、ある意味プログレに通じるのかも知れませんね。
ちょっと事前に想像していたよりも、高尚なアルバムでした。うん。
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